
ビルケンシュトックのサンダルを修理に出そうと公式HPを見てみたら、修理代がめっちゃ高かった…自分で修理ってできるの?方法を教えて!
こんな疑問に、靴まぐ福岡編集部が全力で応えます!
ビルケンのサンダルは、履けば履くほど足に馴染むし、コーディネートを選ばないからついつい履く頻度も増えてしまいますよね。
そんな便利なビルケンのサンダルなんですが、唯一の欠点が「ソールの減りが早い」という点です。

早い時には1年ほどでソールがすり減って修理の時期を迎えてしまいます…
私も、真冬でも履くほどにビルケンのサンダルを愛してやまないんですが、履く頻度が高いのですぐにボロボロになっちゃうんですよね。
そこで、長年履いた愛着のあるビルケンのサンダルを修理しようとお店に持ち込んでみたところ、修理にけっこうお金がかかることが分かりました。
ビルケンシュトックの公式ページから、修理の価格を見てみると、ソールの交換は3,240円~・コルク補修は972円~となっています。
- バックル交換[1箇所] ¥1,728
- リベット交換[1箇所] ¥1,296
- スエードライナークリーニング ¥2,700
- スエードライナー交換 ¥4,320
- アッパー接着[片足] ¥1,728
- 踵部ソール交換(EVAソール) ¥3,240
- オールソール交換(EVAソール) ¥4,896 / (ポリウレタンソール) ¥6,480
- コルク補修[1箇所]大/¥1,620[目安:10mm以上] / 中/¥1,188〔目安:5〜10mm以内〕 / 小/¥972〔目安:2〜5mm以内〕
- フットベッド交換(オールソール含む)¥9,180〜
修理代を払ってでも、ずっと履き続けたい魅力がビルケンのサンダルにはありますが、おトクに修理ができるのであれば、その方が嬉しいですよね。
なので、今回はボロボロのビルケンのサンダルを、素人が自宅で修理してみました!
今回修理に使った道具は、全てホームセンターや100円ショップで購入できるので、簡単にマネできる内容になっています。
もし、自分で修理できるようになったら、ヤフオクやメルカリでボロボロのビルケンを安く手に入れて、自分で修理して履くこともできるので、ビルケンがもっと身近になりそうですね。

全手順を出し惜しみなくお伝えしますので、ぜひ試してみてください(^^)/
素人の修理の結果
まずは結果から見て頂きましょう!
今回修理したのは、メルカリで送料込み1,800円にて購入した、ビルケンの代表モデル「ボストン(Boston)」です。
修理前のボストン
修理後のボストン
「かかとのコルク層の修復」と「ソールの交換」が、主な作業内容になっています。
基本的に、見た目の美しさというよりは、実用性を重視して修理しました。
私より器用な方であればもっと美しく修理できると思いますので参考程度にご覧ください。
ビルケンのボストンを修理します
ボロボロのボストン

上から見るとまぁまぁキレイですよね。
若干の色褪せはありますが、スエードのアッパーの状態も良く、まだまだ履けそうです。
「これが送料込みで1,800円!?」って感じですが、問題はかかと部分です。
かかと部分を見ると、コルクの崩壊がすさまじいですね!

もう、ボロッボロです。
コルクが崩壊していてクッション性が失われており、履き心地がすこぶる悪いです。
履き心地がウリのビルケンなので、ここは何としても修復したいところ。
そして裏側です。
両足とも、ソールが減りすぎてコルク層まで削れてしまっていますね。
試しに履いて歩いてみましたが、ソールが削れ過ぎてガタガタで歩きにくいです。

ソールの修理も急務ですね。
修理するポイント
この状態でビルケンストアに修理を出すと、
フットベッド交換(オールソール含む)¥9,180〜
で新品のフットベッドに交換することもできますが、「もはや新品買った方がいいんじゃないの…」っていう価格です。
せっかく送料込み1,800円という破格で買えたのに、修理代と合わせて1万円だとコスパがイイとは言えません…。
そこで、今回は自分で修理する道を選択しました。
修理のポイントはコチラ
- 崩壊したコルクの修復
- スポンジソールの交換
- スエードライナーをキレイに
- スエードアッパーの補色
けっこう大変そうですが、まぁなんとかなるでしょう。
ちなみに、修理方法はコチラのブログを参考にさせていただきました。
参考:birken-lifeのブログ|https://ameblo.jp/birken-life/entry-12080951933.html
ビルケンの修理に必要なモノ
今回修理に使うものをざっと並べてみました。
- ラテックス(天然ゴム)
- ワイヤーブラシ
- ボンド
- ヤスリ(スポンジ型)
- 紙ヤスリ
- EVAスポンジシート
- コルクボード
①ラテックス(天然ゴム)
【クォー・ユー化成 造形・工芸用ラテックス L-5000 500g】
購入場所:東急ハンズ
価格:1,779円
液体状の天然ゴムです。
ビルケンのコルク層が、コルクと天然ゴムを混ぜて作られているため、崩壊したコルクを修復するメイン素材として使います。
模型屋さんや画材屋さんにも売っていて、私は東急ハンズで購入しました。
500gのものを買いましたが、この量だと多すぎです。200回くらい修理できそうな量です…

もう一回り小さい250gのものがAmazonで売っているので、そっちで十分だと思います。
②ワイヤーブラシ
【プラ柄ミニ ワイヤーブラシ 3個セット】
購入場所:ダイソー
価格:108円
ワイヤーブラシは、フットベッドの黒ずみをとるのと、スエードアッパーの毛並みを整えるのに使います。
ナイロン・真鍮・ステンレスの3つの素材のブラシがセットで100円なんて破格すぎです!
使うのは真鍮だけでOKです。試していませんが、たわしでも代用できる気がします。
③ボンド
【ボンドG17 20ml コニシ株式会社】
購入場所:ホームセンター
価格:200円くらい
ソールやフットベッドをはがしたり張り付けたりするので、素材に適した接着剤が欠かせません。
今回は、皮革・麻・EVAスポンジを接着するので、どの素材にも対応できるボンドを購入しました。
定番商品っぽいので、ホームセンターだったらどこでも手に入ると思います。

イチバン小さなモノでも十分な量なので、間違っても大容量のモノを買わないように気を付けてくださいね。
④・⑤ヤスリ
【ブロックサンダー 目の粗さ180番】
購入場所:ダイソー
価格:108円
ヤスリは、紙ヤスリとスポンジ状のヤスリを購入しましたが、スポンジ状のヤスリしか使いませんでした。ヤスリは、コルクを粉末にしたり、形成したコルクやソールの形状を整えるのに使います。
ヤスリをかける面のキレイさは求めていないので、粗めのヤスリの方が作業が早く済むのでおススメです。

スポンジ状のヤスリが予想以上に使いやすかったので、紙ヤスリの出番はありませんでした。
⑥EVAスポンジシート
【EVAスポンジシート 10㎜ 黒】
購入場所:東急ハンズ
購入価格:553円
ビルケンのスポンジソールの代用として使います。
正規のソールもネットショップで売っているので、それを使うのがベストですが、今回は「いかに安く修理するか」もテーマなので、代用できそうなスポンジシートを購入しました。
同じEVAスポンジとはいえ、触った感じ純正のソールよりも柔らかい感じがします。
靴用資材ではないこのスポンジシートで代用できるのか、検証の意味を込めてトライしてみます。
※カンペキを求めたい方は、コチラのショップでビルケンの純正スポンジソールを販売していますのでご参考に。
⑦コルクボード
【コルクボード 22㎝×30㎝ 6㎜厚】
購入場所:ダイソー
価格:108円
コルクボードは、粉末状にしてラテックスと混ぜ、コルクを修復するのに使います。
本家のbirken-lifeブログさんでは「コルク粘土」を使っておられましたが、その代用品です。
コルク粘土は東急ハンズに売っていたんですが、何となく雨に弱そうな気がしたので、私はコルクとラテックスを混ぜることにしました。
ダイソーにはいくつかのサイズのコルクボードが販売されていて、「大は小を兼ねる」と思ってイチバン大きなサイズを買いましたが、結果として、こんなに大きなコルクボードは不要でした。使ったのは5㎝×3㎝ほどでした。

買うなら一番小さなものでも十分だと思います。
後でも書きますが、コルクとラテックスを混ぜて使うと、ラテックスが非常に柔らかいため、コルク層の型づくりが難しいです。
修復のしやすさで言うと、コルク粘土に軍配が上がります。
「雨の日は履かないよ!」と言う方には絶対にコルク粘土がおススメです。
修理の全手順
①フットベッドのスエードライナーの汚れ落とし
ワイヤーブラシでガシガシブラッシングして、フットベッドの寝ているスエードの毛を起こします。
注意点としては、フットベッドのサイズとブランドが表記されたプリントの部分にブラシをかけると、簡単にはがれてしまいます。
プリントを残したい場合は、プリント部分を避けてブラシをかけ、あとでサンドペーパーを優しくかけてあげるといいです。
フットベッドの黒ずみがひどい場合は、皮革用シャンプーでしっかり洗うとキレイに落ちます。今回は、中古品の購入だったので、衛生面を考慮して丸洗いしています。
しっかりブラシをかけると、スエードが起毛して、フットベッドがふかふかになります。

ふっかふかで気持ちいい!
ブラシ前の写真を撮り忘れてしまいましたが、写真左の状態くらいから、洗浄→ブラシで右の状態になりました。
②コルク層の修復
スエードライナーをはがす
ベリベリはがします。力を入れなくても簡単に剥がれました。
麻(ジュート)のシートをはがす
コチラもベリベリと簡単にはがれました。
コルク層がむき出しになりました。これからこのコルクを修復します。
コルクボードをカットして粉々に
ハサミでカットして、細かくしていきます。
ハサミでカットして粗目なコルクの粒を作ります。
コルクにヤスリをかけて、粉末状の細かいコルクを作ります。
ラテックスとコルクを混ぜて、崩壊したコルクに塗る
ラテックスを出して、爪楊枝でコルクと混ぜ合わせます。
荒いモノと粉末状のモノを適当に混ぜます。

適当な容器が見つからなかったので、私はラテックスのフタの上で混ぜました。
爪楊枝でそのまま盛り付けていきます。
過剰な部分は後で削るため、ある程度カタチができれば大丈夫です。
細かいことは気にせず盛っていきましょう。
ラテックスを丸一日乾燥させる
横から見てみると分かりやすいと思いますが、もともとあった高さくらいまでコルク層を盛り付けることができました。
この状態のまま、日の当たらない場所で丸一日乾燥させました。
半日だとラテックスがまだ白色でしたが、丸一日経つと茶褐色(輪ゴムの色)になり、完全に乾燥していました。
写真左は、まだコルクが崩壊していないビルケンのサンダルです。比較用に登場しました。
お世辞にもキレイとは言えませんが、コルク層の高さはある程度元の状態まで回復できました。
横から見ると分かりやすいですね。
もし、この時点で少し盛りが足りない場合は、もう一度コルクとラテックスを混ぜたものを塗布して乾かして、コルク層を積み上げましょう。
③ソールの修理
ソールにドライヤーで熱を当ててはがす
ドライヤーの熱でソールを接着している接着剤を溶かして、ソールをはがします。
プロの修理屋さんは熱風機を使っていますが、私は家庭用のドライヤーでトライ!
なかなか温まらないので、ドライヤーの送風口を直接コルクとソールとの間に当てて、ガンガン熱しました。
熱を与えながら少しずつはがしていきます。
交換する部分だけを切り取るので、全部一気にはがさないように注意してくださいね。

ゆっくりゆっくり。
交換部分をカット
ある程度はがしたら、切り取る部分をカッターで切っていきます。
勢いよく切ってしまうと、コルク部分や革の部分まで切れてしまうので、慎重に作業を進めます。
カッターを使うときは定規を当てて切りましょう!後で交換用ソールを張り付ける時に断面が直線の方が作業しやすいです!
パッカーン!キレイに切れました。
ソールを切り出して貼る
カットした部分に合うようにEVAスポンジシートを実寸より大きめに切り出します。
切り出したスポンジシートと、コルクソールにボンドを塗って乾かします。
このボンドは、接着する両方の面に塗って、表面が乾いてからくっつけて、ハンマーなどで叩いて圧着します。塗ってすぐに接着しても接着力が弱いので注意!
スポンジシートを張って圧着します。家にたまたまあったゴムハンマーでバシバシ叩いて圧着しました。
反対の足も同じように作業を進めます。
はがして…
切り出して…
ボンドを塗って圧着!
両足ソールを接着完了しました。
どれくらい時間を置けばいいか分からなかったので、ひとまずこのまま丸一日乾燥させました。
実は問題点がひとつあって、もともと7㎜のビルケンソールなのに、10㎜のスポンジシート使ってしまったので、ソールの高さが合っていません。これは後でカットしていきますので、ここでは無視してOKです。
はみ出した部分をカット
接着剤が乾いたので、はみ出した部分をカットしていきます。
まずはカッターで大雑把にカットしていき、後でヤスリを使って細かく修正していきます。
両足カットできました。
ここから、角ばった部分をヤスリで削って丸く仕上げていきます。
ついでに、ソールの厚みをカッターで切って、高さもそろえていきます。
ソール修復完了
カッターで厚みを削って、ヤスリで微調整し、外周部分もヤスリをかけて丸みを出しました。
どうでしょうか?けっこううまくいった気がします!
ソールとコルクとの間にまだ隙間があるところがありますね…
ここは最後にラテックスとコルクをぶち込めばOKでしょう!
ソールはガタガタしていますが、履いた感じは全く違和感ありませんので、見た目には目をつぶります。
接着剤が勢いよくはみ出ていますが、こういう細かいところは最後に仕上げましょう。
④仕上げ作業
コルクとソールの隙間を埋める
コルク層とソールとの隙間にラテックスと粉末コルクを混ぜたものを爪楊枝で流し込みます。
そして丸一日乾燥させます。
まだラテックスが固まりきらずに白い部分がありますが、もう少し時間が経てばコルクと色が馴染んできます。
ジュートとスエードインナーの貼り付け
最後に、ジュートのシートと、スエードインナーを接着剤で貼ります。
一気にやろうとせず、ジュートを張って1時間くらい乾かしてから、スエードに接着剤を塗って貼り付けました。
修理が終わったビルケンのボストン

見た目はまだ粗削りですが、履き心地はグーンとアップしました!
もっと新品同様にしてみたい方は、はみ出したラテックスをヤスリで削るといいと思います。
まとめ
ソールの交換って、専門的な技術や道具ができないと思っていましたが、思ったより簡単でした。

サンダルは接着剤があればなんでも修理できそうな気さえしています…
今回の修理にかかった費用は、全て合わせて2,700円くらいでした。
1度きりで使いきれる量ではないので、あと4足くらいは修理できてしまいそうです。
そう考えると、自分で修理するのはかなりコスパいいですね!
ただ、手間と時間はかかりますので、細かい作業が苦手な方は、ビルケンストアや靴修理店に修理を依頼された方がイイと思います。
自分の手で修理したビルケンは、なんだか愛着が増した気がします。(元々他人が履いていた靴ですが)
今回は、「【DIY】ビルケンシュトックのボストンを自分で修理する全手順!」という内容を靴まぐ福岡編集部がご紹介しました!

最後までお読みいただきありがとうございました。
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